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  40肩・50肩(肩関節周囲炎)  

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室谷 石灰.JPG
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このような経験をお持ちの方、結構多いのではないでしょうか?

 

●知り合いに肩が痛いと言ったら、「それ40・50肩だから放っておけば治るよ!私も治ったから!」と言われた。
●肩が痛くなって病院を受診したところ、「50肩と診断。湿布、痛み止めを処方された」または「注射を打ってもらった」
●トレーニングジムで肩が痛いことを伝えたら、「筋力不足だから鍛えたらよくなる」と言われた。

 

当院に来院される患者さんでも上記のようなことを言われ、そのままにしていたところ、ある日突然肩が上がらなくなってしまったと言ってお見えになります。

何故、放っておいたり,トレーニングをしても『良くなる人』と『悪くなる人』がいるのでしょうか?
実は『良くなる人』というのは50肩ではないのです。

じゃあ40・50肩って何?

まず『40、50肩』というのは俗語で、40、50歳前後に好発するためにこの名で呼ばれることが多くなったようです。
正式には『肩関節周囲炎』といい、何歳でも発生します。

肩関節周囲炎の特徴は?

肩がどの方向からも上がらなくなります。
自力はおろか、他人に手伝ってもらっても上がりません。
肩が凍りついてしまったかのように上がらなくなるため、”フローズンショルダー ”とも呼ばれます。
このような状態になってしまうのには理由があります。

肩には腕を支えている4本の筋肉が存在します。
腕の重さは個人差はありますが、だいたい5kg前後あり、この重さを4本の筋肉で吊るすようにしているのです。
つまり何もせずとも筋肉に負担がかかるので痛めやすい部位でもあります。
この4本の筋肉にカルシウムの結晶が沈着(石灰の沈着といいます。)して、生活やスポーツ中の動作で疲労、損傷していきます。
次第に炎症が起き、痛みが出始め、ある一定の方向から腕が上がりにくくなっていきます。
ここでダメージを受けていない他の3本がカバーをしてくれる仕組みになっています。

ですが、その3本は自分の仕事もしなければならないのでとても疲れます。
例えば、4人でおみこしを担いでいたのに3人で担ぐことになったため、その3人にも負担がのしかかるわけです。
なので、しだいに3本も疲労、損傷が進んでいき、腕の重みを支えることができなくなり、ついには肩を動かすことができなくなってしまうのです。
これが『40・50肩』と言われる症状なのです。
肩の周囲の筋肉が炎症を起こすから『肩関節周囲炎』。わかりやすいですね。

ここまでくると、腕が上がらないだけではなく、炎症によりズキズキとうずくような痛みを発し、夜も寝られないような状態になります。
放っておいて良くなったという方は、1本が痛くなった段階で運良く回復に至っただけだったんですね。
ですが、誰もが上手く回復に向かうとは限りません。早期発見、早期治療をすることで進行は確実に防ぐことができます。

 

じゃあ腕がどの方向からも上がらなくなってしまったら治らないの?

そんなことはありません。
時間はかかりますが、しっかりとした治療を行えば痛みも引き、腕も上がるようになります。

当院では炎症による痛みをアイシング、適度な固定(包帯、テーピング等)を施すことによって取り除くことから始めます。
経過を観察しながら凍ってしまった肩を再度炎症が起きないように徐々にほぐしていき、最終的にリハビリをして回復に向かうように治療していきます。

病院で注射の処置を受けているがなかなか回復に向かわない

注射の中身は消炎鎮痛剤なので、打ってからしばらくは炎症が落ち着いて痛みも減ります。
しかし、炎症が引き切っていない内に動かすと、たとえ生活の中での動作でもすぐに炎症はぶり返します
注射を打っては痛めて、また注射を打って、、、というループに陥ってしまうわけです。
痛み止めを処方されている方はもっと注意が必要で、炎症を抑えるわけではなく痛みを感じなくさせているだけなので、薬が切れたら余計悪化しているというケースが多いです。
不便ですが、固定等である程度運動を制限させてあげないとループから抜け出すのは難しいです。

症状は人によって異なります。
もしかしてこれは40・50肩の前触れ? という心当たりをお持ちの方は、まずご相談ください。

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